アスペ妻と理系男子夫とのおかしな夫婦闘争

"Strange"ではなく"Unique" ~ アスペルガーから見たアスペルガー

アスペルガーでも成長する 補足:strangeではなくunique

前回のブログの後気付いたのですが、私が成長した一番最初の大きなきっかけは、小学3年生の時にできた友達だったのかもしれません。これが大きな分岐点だったのだと思います。この時に、この友達がいなかったら、私はもっと長い間自分の世界だけに留まり、成長も遅くなって、今のこの状況まで来れなかったように思います。

この友達は、「変わっているあなたが好き」と私の世界にずかずかと入ってきて、自分だけの世界で完結していた私を、社会(外の世界)へ引きづりこみました。最初は、少し拒絶反応をしたのを覚えていますが、それでもずかずかと私の中に入ってくるこの友達を私は徐々に受け入れ、大好きになりました。そしてその時、つま先しか入っていなかった社会に足首まで入ったのだと思います。この友達は、アスペルガーではないと思いますが、変わっていました。そして、ご両親の影響で、変わっている人=ユニークな人と思い込んでいたようです。

英語で「変わっている」は一般的に「strange」ですが、彼女は「unique」と理解していました。

「unique」

この単語は、私に自信をくれました。「unique」の一番の意味をご存知でしょうか。「ただ一つだけの、他に存在しない、唯一無二の」です。

そう、私達アスペルガーは唯一無二の存在なのです。

確かに他人の気持ちを理解できないので、他人を傷つけてしまうことがよくあります。私もきっと、沢山の人を傷つけてきたと思います。また、傷つけたと気付かなかったり、理解できなかったり、気付いてもすごく時間がかかったりします。

詳細は今度書きたいと思いますが、私にも人を傷つけた大きな失敗があります。しかし、その失敗を本当に理解したのは、10年後です。そしてその時、私は自分が成長しなければと思ったのです。取り返しはつきませんが、もう二度とこんなことは起こさないようにしようと心に決めました。私は人の評価が気にならないので、その時、人がどう感じたかということを実はあまり気になりません。でも、真に自分のしたことが理解できた時、それは自分の世界の中に入り込むので、本当に悔やみます。すごく時間がかかったり、理解できなかったりすることも多いですが。

また、私達アスペルガーはコミュニケーションが中々成り立ちません。それゆえ、「浮いた存在」になりがちです。

でも、こういった負の特性を理解して成長し、人とのコミュニケーションが少し成り立つようになると世界は本当に広がるのです。

それに、アスペルガーには、優れた特性もあります。

私の理系男子夫は、研究・開発関係の仕事をしています。理系・文系にかかわらず「研究」の世界にはアスペルガーの特徴を持つ人達が本当に沢山います。これは、アスペルガーの特徴をうまく伸ばすことができた例だと思います。

私は、事務系の仕事ですが、「記憶力が抜群によい」「集中力がはんばない」という特性をうまく作用させ、また、「こだわりが強い」も仕事関連のもにすることにより、結果がうまくでるようになりました。そして、徐々にコミュニケーション能力も成長してきたことから、それなりに仕事でも信頼を得られるようになりました。

自分の与えられた環境で、自分の特性をうまく発揮させることが重要です。これはアスペルガーだけの話ではないですが、アスペルガーにはいわゆる「一般の人」よりも優れた特性もあるんです。その特性を上手に伸ばすと、本当にうまく作用することがあります。

自分が特性を理解するのが一番ですが、すごく時間がかかるので、お母さんだったり友達だったり、そういった人が導いてあげるのも需要だと思います。何にせよ、どんな形でもよいので、社会と関わらせてあげるのが大事だと思います。

自分だけの世界から少し外の世界へ。

完全に外の世界に入ることは難しいと思いますし、無理だと思います。足だけでもいいのです。腕だけでもいいのです。その状態が居心地がよくなったら、きっと世界が変わってきます。

そしてそれは、周りの人を傷つけなくなることへの第一歩になると思います。