アスペ妻と理系男子夫とのおかしな夫婦闘争

"Strange"ではなく"Unique" ~ アスペルガーから見たアスペルガー

アスペルガーでも成長する ~10のきっかけ~

アスペルガーでも成長するんです。

治るとかではなく、成長するんです。
私には、細かいところは色々ありますが、大きく分けると成長の10のきっかけがありました。それをご紹介します。


1.小学2年生・・・自分のことを「変」と人が言っていることに気付く。

2.小学3年生・・・自分が「変」と思われていることに気付く。友達ができる。

3.小学5年生・・・「変」の意味を理解する。

4.中学1年生・・・自分が「変」なのではないかと気付く。

5.中学2年生・・・空想の世界を持っている人はあまりいないことに気付く。

6.高校2年生・・・友達から「話が飛ぶ」と言われ、なぜ会話が成り立たなかったかに気付く。

7.アメリカ滞在中(1年弱)
       ・・・主張しないと、何もできないことに気付く。孤独を真に理解する。

8.出産・・・・・・自分の世界に他人が入ってくることを受け入れる。アスペルガーだと自覚する。

9.5年前・・・・・上司に報告中、「お前の報告は、主語がないからよく分からない」と指摘をうけ、自分の会話の問題に気付く。

10.2年前・・・・高校の友達から、自己肯定感が高いことを指摘され、客観的に今まで事柄を理解できるようになる。


この中での一番の大きなきっかけは、6の高校2年生の時の出来事です。このおかげで、それから会話が成り立つようになり、自分の問題点が分かりました。次の大きな出来事はアメリカ滞在で、「孤独」を真に理解したこと。私は基本的に、一人で完結する方が好きです。一人でいる方が好きですし、他人にあまり興味もありませんし、他人の評価も気になりません。でも、社会から完全に孤立することは受け入れられないと思います。アメリカに滞在したおかげで、社会に足くらいは入っていたいと思うようになりました。

成長には時間がかかります。いくら他人から指摘されても、自分が納得しなければ理解できないのです。時間がかかりながらも成長し、周りの人からの刺激を受けて、社会に最初はつま先から入り、今は足は全部入ったかなと思っています。これくらいの感じが私は居心地がよいです。

たまに、こだわりが強くなったり、優先順位が分からなくなったり、特徴が顕著に出ることは今でもあります。でも、いわゆる「一般の人」でもイライラしたりすることもあるので、それほど異質に見られることは無くなったと思っています。

重要なのは、いつもは「普通」と思われる行動ができていること。

そして、その「普通」と思われる行動をすることが、意識的ではなく、自然にできるようになること。

それが、成長の最終段階だと思います。

そんなに無理しなくてもいいのでは、と思う人がいるかもしれません。無理をしているわけではないのです。考え方を少し変えるだけです。

私はアスペルガーは一つの個性だと思っています。アスペルガーで嫌だと思ったことは、実はあまりありません。でも、やっぱり気づかぬうちに人を傷つけていました。人を傷つけるのは嫌です。だから成長しようと思ったのです。

そうすると、世界が広がりました。そして、自分が「生きづらい」と感じていたことが段々分かってきました。ずっと、何か人と接するたびに「違和感」は感じていたんです。その「違和感」の理由が分かり、それを解決できるようになると、人とのコミュニケーションするのも悪くはないと思えるようになりました。

ま、一人が一番好きっていうのは変わらないんですが。
次からは、1~10のきっかけを詳しく書いていきます。

アスペルガーとカミングアウトした時の母と妹の反応

まず、なぜ私がアスペルガーかと自覚したのか。それは、子供が生まれて育児書を読んだからです。育児書を読んだ人は分かると思いますが、育児書って発達障害についての説明がかなり詳細に書いてあるんです。


育児書読んだ時、愕然としました。答えがそこにあったからです。そう、ずっと疑問に思っていた答えが書いてありました。

私はなぜ周りと違うのか。なぜ皆が「変」と私を言うのか。ずっと不思議に思っていました。

でも、アスペルガーの特徴なのでしょう。別に悩んでいたわけではありません。それに、自分がアスペルガーと自覚してショックもありませんでした。「そういうことだったんだ」と納得しただけです。

自分以外の人に自分がアスペルガーだと初めてカミングアウトしたのは、子供がまだよちよち歩きの頃、高校の友達の家に遊びに行った時です。アスペルガーのことは、別に隠そうとしていたわけではなく、育休中でほとんど家から出ない日々だったので、ただ単に話す機会が無かっただけでした。ただ、自分の子供がアスペルガーかもと心配はしていて、子供成長をよく見るようにしてはいました。自分が今までどれだけ生きづらかったかをよく知っているので、療養とかで生きづらさが少しでもよくなるなら、そうしてあげたかった。今のところ、息子ちゃんは、多分違うような気がします。でも最近、小学校の先生から「忘れ物が多いです」と連絡が来るのがちょっと気になってはいます。私は・・・超忘れ物が多い子供でしたので。。。

初めてのカミングアウトの発端は、その友達から「私、自分がADHDだと思うんだよね」と話題を振ってきたからです。私は、「私は自分がアスペルガーだと思う!」と嬉しくなり、その後は、発達障害の話で盛り上がりました。

高校時代の友達は、私以上に個性的な子が多く、ほとんどが何らかしらの発達障害を持ってそうな気がします。その地区の一番の進学校だったんですが、超進学校って、知的障害を伴わない発達障害が一定数間違いなくいます。類は類を呼ぶとは言ったもので、私の仲のよいグループのメンバー全員が学校で浮いていました。浮いていても、みんな気にもせず、楽しく高校生活を送っていました。高校時代の友達のみんながみんな、高校生活が一番楽しかったと言います。それはきっと、みんなそれまで生きづらかったんでしょうね。高校は一番友達が増えた時期で、私ものびのび生活ができ、一番楽しい時期でした。この話はまた今度。

発達障害の話が盛り上がって楽しかったので、他の知り合いにも「私ってアスペルガーだと思うんだよね~」と話題を何度か振りました。いわゆる「一般の人々」にです。「何言ってるの、そんな事ないよ~」と毎回言われ、微妙に話題が盛り上がりません。盛り上がらない理由もよく分からなかったのですが、旦那から「話をするなら笑いを取れ」と教育され、反抗しつつも少し染まっていた私は、盛り上がらないから話はしないようになってました。うちの旦那はアスペルガーではないのですが、めんどくさいおかしな人です。本当はこの話をしたくてブログを始めようと思ったのですが、この話もまた今度。

そんなかんなで数年が過ぎ、母と妹と3人で一緒に話をしている時に、何となく「私ってアスペルガーだと思うんだよね」て話をしました。

二人とも「今頃気づいたの?」と興味なさそうな顔をして私をじっと見るだけ。

何らかしらのリアクションを期待していた私は超不満でした。もう少し興味を持つとか、驚くとか反応があるでしょう。

「自分の事しか興味ない子だったもんね」(母)。「浮いていたもんね」(妹)。興味なさそうに言った言葉がそれでした。

・・・いや、確かに自分にしか興味が無かったし、浮いていたとは思う。

「でも、私、いい子だったでしょう?」

論点はそこじゃないのだけど、ちょっと反抗してみました。親に反抗することも少なく、勉強もでき、わがままもあまり言わない良い子だったはず。

「自分の事しか興味が無かったからでしょう」(母)。

・・・ぐうの音もでないとはこのことで。小学校の頃、私は空想の世界と現実世界を行ったり来たりが大変で、自分の中ですべてが完結し、自分以外の人の評価とかは全く興味がありませんでした。そう思うと本当に成長したな、私。

「お父さんも発達障害だったと思うんだよね。やっぱり遺伝かな」と私がしみじみ呟くと、「お父さんは昔気質で職人気質だっただけで、発達障害とかではないよ」(母)、「お父さんは頑固だっただけだよ」(妹)と、なぜか反論されました。

父は亡くなっているのですが、仕事を十数回変えています。理由は人間関係。コミュニケーション下手な人でした。まさに、発達障害の特徴だと思うのです。でも、母も妹も頑なに賛成しません。

なぜ!!私の時はあんなにあっさりな反応だったのに、納得できない!!私よりもコミュニケーション下手だった父なのに、私は発達障害(認定)で、父は発達障害(未承認)てどういうこと!!

未だに納得がいかないところですが、それだけ私は周りから見て「変」だったということなのかもしれません。。。。

アスペルガーは治らないが成長できる

ついこの間、テレビでアスペを紹介していて、専門家が「アスペルガーは治らないが、「普通」と周りが思える程度に成長はできる」と言っているのを聞いて、なるほどと思いました。私も、何段階かのステップを経て成長し、周りからは「ちょっと変わった人」くらいで受け入れてもらえています(多分)。

大学卒業して入った職場で十数年勤務し、末端の中間管理職程度ですが、そこそこ仕事も認められ、平均年収以上の給与は貰っています。職場環境もよく、人間関係も良好です。

結婚もして、小学生低学年の息子が一人います。

ただ、ここまで来るのにはやはり山あり谷ありでした。

全員ではないですが、ほとんど人が私を「普通」と思ってくれるまでに成長できた過程を綴り、それが誰かのキーワードになればといいなぁと思っています。

アスペ妻と理系男子夫とのおかしな夫婦闘争

ブログを始めようと思ったのは、理系男子夫のおかしな習性・行動をぶちまけてやりたい衝動にかられたからです。

でもよく考えたら、妻の私自身もかなり変で、多分アスペです。アスペの習性・行動を紹介することは、自分もアスペかもと思っている人達、自分の子供がアスペではと不安に思っている人達に、何かを伝えられるのではと思い、まずは自分のアスペについての記事を書いていこうと思っています。

そして、理系男子夫のおかしな習性・行動も紹介し、アスペ妻と理系男子夫とのおかしな夫婦闘争についても紹介して、皆さんにくすっと笑ってもらいたいと思っています。